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Portal:siro

ダイレクトマーケティングブログ

『ニンジャスレイヤー』はネタ小説ではない

久しぶりにブログ行為します。
結論はタイトル通りです。
ので、対象読者は「ふーん(鼻ほじ)」とか「え?ネタ小説じゃないの?」っていう方向けです。
層に届くことを願っております。

ちなみに「ニンジャスレイヤー?なにそれ?」って人はここよりは非公式wikiの「ニンジャスレイヤーとは?」みたいなページのほうが解説としてはわかりやすいと思います。

そもそも何故ネタ小説と思われるのか

奇抜な日本観、「アイエエエ!?」「ドーモ、○○=サン」「マルノウチ・スゴイタカイビル」などの他の作品では中々見ないような奇妙な日本語。
これらがTwitterやニコニコなどで読んでいない人にも広まった結果、その部分だけが一人歩きしてネタと思われるに至った。のだと思います。*1

基本的に私はそれ自体を悪いこととは思ってません。
なぜなら作品というのは何がきっかけであれ、知ってもらわないことには始まらないからです。
コマーシャル、マーケティングというものが敢えて意図的にキャッチーな部分を抜き出して(或いはキャッチーなフレーズを作り出して)提示するのも、そのほうが対象の印象に残るからです。

例えば「大正製薬から1962年に発売、タウリン1000mgを含み……」とか商品説明するよりも「『ファイト!一発!』のCMでおなじみ〜」と説明したほうが客に「ああ〜」と頷いてもらえる可能性が高いのです。
ちなみにこれは言うまでもなくリポビタンDの話です。
当然作った側としてはファイト一発というキャッチコピーそのものではなくその効能・商品を売りたいわけですから、「ファイトーいっぱーつのアレね〜あのCMのアレね〜」で終わってもらっては困るわけですが、まず知ってもらう第一歩としてキャッチコピーが必要なわけです。
その意味ではニンジャスレイヤーが未読者から「アイエエエの小説」と呼ばれることについては、特に異論もなく、「そうだね〜ああそうだね〜アイエエエの小説だよ〜」と頷くわけです。実際間違っているわけでもない。

でも、そこで終わってほしくないのです。

真価はもっと深いところにある

また例え話になりますが、「ジョジョの奇妙な冒険」という作品がありますよね。
「絵が濃い」「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!(AA略)」とか、未読者でも知っている要素を挙げればまあ、きりがないような名作です。
でも、それだけの知識で作品をわかった気になっている人を見ると「いや……いや違う、そうじゃないんだ!確かにその台詞はあるけど!でもそうじゃないんだ!!それだけじゃないんだ!!!」と高速でろくろを回したくなるような気持ちになりませんか?なりませんか。
あなたの一番好きな作品やキャラが「ただのハーレムアニメ」「腐向け」「中二臭」「新参ホイホイ」と言われていることを想像してもなりませんか?なりませんか。話を進めたいので、なったことにしていただけませんか。

これは私何度かTwitterとかで言っているのですが。
『ただ世界観が奇抜で登場人物がアイエエエ!?ニンジャナンデ!?って言ってるだけの小説が、少なくとも作品に何の興味もなかった貴方の目に触れる程度に知名度を上げ、その挙句書籍化するわけないだろ』ということに尽きるのです。
どんな商品も作品もそうですが、外からちらっと見ただけではわからない魅力があるのです。
私は一読者として、その魅力を伝えていきたいし(逆に言えば作品自体にそうさせたいと思わせるパワーがあるということです)、理解してくれた方とは「わかってくれたかね……!」と涙ぐみながら両手を握りたい衝動に日々駆られているのです。
一方で「やりすぎると引かれる」とはよく言われるので*2、最近はなるべく自重しています。これでも自重しています。


最悪、読んでもらえなくてもいいです。
体質的に酒が飲めない人が「酒が飲めないなんて人生の半分損してるぞ!」みたいに言われても「えぇ……」ってなるのと同じように合う合わないってのは誰にでもありますし、そもそも「私は既に心に決めた嫁がいるんだ!他作品に浮気している余裕などない!!」という人もいるでしょう。時間は残酷なまでに有限です。
僕も本当は早くキルラキル観たいんですよ。でもその前にタイバニアニメを消化して、それから昨年オススメされたシャーロックのドラマを観たいんです。でもニンジャスレイヤーに多くの時間を割いています。
それはこれら他作品に興味がなくなったわけではなく、今ニンジャスレイヤーについて何かすることに忙しいから、なんです。


なので、読んでもらえなくてもいいんですが、「ただのネタ小説だろ」からもう一歩進んで「ただのネタ小説だと思ってたけど、書籍30万部も売れてアニメにもなるらしいし、何か俺の知らない魅力ってやつがあるんだろうな」って思っていただけると大変喜ばしいのです。
今の文章あからさまにマーケティング行為っぽかったですね、はい、すいませんケジメします。

勿論それはニンジャスレイヤーに限らず。
「人気のある作品」というのは「外側から見ただけではわからない魅力」というのが必ずどこかにあります。
どうしてもキャッチーなレッテル貼りというのは無くなりませんし、自分が関わる気がないモノはそう分類してしまったほうが楽ですが、もう一歩、意識だけでも、「それだけではないのだろう」と思ってほしいのです。


そしてその上で「読んでみるかな」と思っていただけたなら、いつでも、Twitter公式アカウント@NJSLYR、書籍、コミカライズ、ファン作成の非公式wiki、(将来的には)アニメなど、貴方が一番やりやすい方法で「ニンジャスレイヤー」という作品にアクセスしていただければ、これほど嬉しいことはありません。

『ニンジャスレイヤー』はネタ小説ではなければ何なのか

やっと本題です。前書きが長くて申し訳ありません。
ストーリーについて解説してもよいのですが、それはもう他の方も行っていますし、上のほうでリンクしたwikiの「ニンジャスレイヤーとは?」というページや、各エピソードについてはそれぞれwikiページであらすじも掲載されておりますので、ここではばっさり割愛します。

ニンジャスレイヤーは一言で言うと、Twitterライブ紙芝居小説です。
小説なのに最新更新媒体は「Twitter」。これは書籍が出た後も変わりません。
「Web小説」と言っても、同人としてサイトに掲載していた小説がたまたま認められてプロデビューした、という流れの作品でもないのです。

元々はアメリカ人二人の原作者が書いた英文の小説を、ほんやくチームを自称する集団(少なくとも二人)があのキテレツ文体に翻訳し(原作からして普通に日本語が出てきてたり結構わけのわからない感じではありますが)、140文字というTwitterの文字数制限に合わせ、リリースしています。

書籍をご覧になったことのある方ならお気づきでしょうが(見たことのない方はこちらをご覧ください)、いわゆる「小説」の体裁はまるで守られていません。「」の前後で改行もないし、1節がみっちり詰まっています。
それこそ本当にTwitterの1ツイートを縦書きにして空行を挿入して並べたような形をしています。
140文字に収めるためにやむなく長い物語を切断しているわけではなく、意図的にこのような形で翻訳されているのです。

書籍で読む場合、この空行は読者が自由に読み飛ばすことができます。寧ろ人によっては「スカスカ感」「この空行を詰めればもっと薄く(安く)なるのでは」という不満を覚えるかもしれません。
しかしTwitterでリアルタイムに連載を追っている人の場合、この空行ごとに、少なくとも5分以上の「待機時間」が生じています。
文章ではあるけれど、文章のように読者の自由なタイミングで次に行けない。
しかし映像に近いと例えるには、話の進行が断続的に過ぎる。
演者たるほんやくチームの発言を読者が今か今かと待つスタイルは、紙芝居というのが一番近そうです。
(紙芝居と最初に例えたのは私ではなく別のヘッズなので、表現をお借りする形になりますが)


このやり方は「好きなように小説を読みたい」とか「そんなに何時間もTwitter見ていられない」という方には難しいでしょう。
実際そういう人のためにログのまとめや書籍というものが存在していると思います。勿論リアルタイムでないというだけで面白さが損なわれる作品ではないです。
ただ、多人数で同時に同じものを見ているからこそ可能なファン同士の一体感というのも存在します。
過去にも何度かありましたが、一番直近で言うと昨日(正確には日付変わって今日の深夜)、作中のあるキャラクターが敗北濃厚な、文字通り命を賭けた戦いへと身を投じました。
彼は先月下旬開始のエピソードで初めて登場したキャラクターで、何年も前から愛されているキャラクターではありません。
しかし彼の生き様は短い間でも多くのファンを魅了し、彼が作中で行ったキツネサイン*3を真似て多くのファンが彼のためにキツネサインの写真を投稿しました。深夜にもかかわらずです。(まとめはこちら)

こればっかりはいくら言葉で説明しようと説明しきれないのですが、「自分ひとりでパソコンやスマートフォンを見ながら文章を追っているだけではなく、まさしくライブ的な一体感・同期・興奮が存在する」という、他の小説作品では中々ない、「ニンジャスレイヤー」という作品の最大の魅力であると思っています。

書籍や他媒体でニンジャスレイヤーの面白さに触れた方は是非、#njslyrタグを見ながらリアルタイムの更新を追ってみてください。
きっと今までのどの作品とも違う「読書体験」ができると思います。

*1:2ch界隈は詳しくないのですが、随分長い間、ラノベ系の板以外ではほとんどノーマークであったとうかがっています

*2:私も名前を辛うじて聞いたことのある程度のアニメDVDとかいきなり貸されても「お、おう、わかった、気が向いたら視るよ」ってなるタイプです

*3:親指、中指、薬指をくっつけ、人差し指と小指を立てて作るアレです