Portal:siro

ダイレクトマーケティングブログ

姫と従者が眠る水底にて

この村の半年記念&現実逃避&小説完成で色々垂れ流します。
エセ考察っぽく書いてあるのは仕様です。


今日村の後半〜エピをもう一度読み直しましたが記憶が曖昧で所々矛盾あるかもしれないです。それは申し訳。
あと基本他の人にはあまり触れません。それぞれの設定があるでしょうから…。


朔と雨宮宗治の関係

一言で言ってしまうと朔は月の都での名前、雨宮宗治は地上での名前ということになります。


朔も宗治も男です。月の人もなりたち(エピで語られた不死の薬の話)によると元は人間らしいので、多分性別はあるでしょう。
ないならないで「オスかメスかと言われればオスに見える」でいいです。
朔の外見を語る機会がなかったのですが、朔と宗治の外見を比較すると若干朔のほうが上です。二十代後半と二十代前半の違いぐらい。
ぱっと見てこの2人は家族かなと思う程度には外見は近似しています。
ただ、同一人物には見えないかなと。


朔に宗治が与えた影響は大きかったと思います。後述。

朔は何者なのか

先程も言ったように、月の人の"元"は地上の人間です。そして、その数は限られています。
月の人の口ぶりからすると多く見積もっても15人程度でしょう。個人的には10人いないと見てます。
その後は流れ着いた魂たちが変化したりして少しずつ増えていったのだと思います。
或いは、月に住まう神が新しく造り上げたか。


朔も恐らく流れついた魂のひとつが月に留まって形になったのだと思います。
前世の記憶など完全に消えてなくなった頃に生まれたのでしょう。
年齢は「少なくとも姫様より上」ということしかわかりません。
こんな発言が読み返したらありました。
…月の人って歳取るのかな…?
あと、多分双羽よりも年上だと思います。こちらは若干の差しかなさそうですが。


ところで、1d開始ぐらいに姫様と乳兄弟に…なんてことを考えていたのですが、それは上で書いた月の人の成り立ちからすると明らかに矛盾する(月の人に子供はいない=乳兄弟という概念が生まれない)ので、この件に関してはなかったことになってます。


では、朔は月に於いてどういった立場だったのか。


村内で出た情報やらを総合すると、「それなりの地位にいる姫の従者」ということになりそうです。
身分が高すぎても低すぎても地上での姫の護衛など任されないでしょうから。
じゃあ元々何の仕事をしていたのか。
少なくとも姫様の身支度を行う係*1ではないでしょう。
月に性差による仕事の分別があるかはわかりませんが、女の着替えを男が手伝うのはちょっと倫理的にまず……ではなく、エピですけど、姫様や双羽に対して朔は照れているんですよね。
恒常的に姫様に一番近いところにいたのだったらそんなことで照れるかなあ?と。*2


事務では姫様から遠すぎるし、(本当の)護衛だとしたら地上での宗治が貧弱すぎて説明がつきません。
姫様が「○○の人」じゃなく「朔」と個体認識できる職と言うと…教育係辺りが妥当なのかなと思います。
朔の姫様に対する接し方、少し説教臭いところもありましたしね。
問題は何の教育をしてたかなのですが……まあ礼儀作法ではないでしょう。*3
音楽でもないです。音楽は双羽達が既にいますし。となると、一般教養かなあ。無難なところです。



結論としては「出所不明の魂が月の人に変化した存在」「姫様の教育係」ということになります。
その立場の者が何故地上に降りたのかは謎ではあるのですが……。


双羽、その両親役2人、その他何人かが既に地上に降りているという描写があったので、多分交代で何人も降りているのでしょう。
朔はそのうちの一人だったに過ぎません。何か能力を買われたとしたら、多少我慢強いとか?あるいは地上についての知識は他の者よりあった?でしょうか…。

宗治と兄の関係

ここは小説で詳しく語ってしまったので、大体はそちらを見てもらうとして。
そちらに書ききれなかった補足などを。


庭師としては優れていたけれど、愛想もそんなによくなくて、貧乏で、酒も賭博も女も縁がない男。
それが宗治の兄、庭師の雨宮*4です。正しく言うと養父。
愛想がよくないというのはいつも怒っているとかではなく、単純に不器用なので人に媚びるとか、世辞を言うとか、場を盛り上げるとか、女に色目を使うとか、そういうことができないだけで、嬉しいことがあれば普通に笑いますし、悲しいときは泣きます。そういう人です。
余談ですが宗治という名前をつけたのも兄と言う設定です。朔は多分地上での自分の名前など考えてなかったと思いますので。


何故拾ったのか。多分単純に「身寄りのない少年が可哀想だったから」だと思います。
それがまず朔には理解できないものだったのでしょう。
自分の生活すら満足といえない状況で見ず知らずの子供*5を引き取るとか、普通に考えたら「ない」です。
でもそれで遠慮する朔じゃありません。*6堂々と居候します。


一緒に暮らしているうちに「この男はそういう男なんだ」と理解していきます。
それと同時に「なんでこの男はこの世界では上手くやっていけないんだろう」と思うようになり、やがて気づくんですよね。
この世界は世渡りが上手じゃないと生きていけないってことに。


でもその冴えない男に千載一遇のチャンスがやってきた。それで男はちょっと裕福になった。
だけどそれを仕事仲間が妬んだ。「面白くねえ」と。そして男をいびり始めた。少しでいいから、困っているんだと金を無心し始めた。
少しずつエスカレートしていったが、ある日とうとう男に拒否された。それで一発殴った。
まだ抵抗するのでもう一発。この金がなくなったら生活できなくなる、もう無理だ。そう懇願する男の頭を踏みつける。
いつの間にかそれはただの暴行と化していた。はっと誰かが気づいた時には男はもう息をしていなかった。



――続きは小説で語った通りです。
朔は力を使い、彼らを「神隠し」してしまいます。*7
どう考えても復讐ですが、一応便宜上は「任務遂行の妨げになるものを排除した」ということになってます。*8


…あ。…超後付け設定なんですが(今考えた)、朔の力は「月に送る」という一意のものではなく、朔の中で無意識に「月の何処に送るか」を選別していたのではないかなあと。朔の中で「いい人」は月の都に行くことができたのでしょう。「悪い人」は月の裏(闇の世界)に送られたのではないかなと。
超後付けですが、一応矛盾はしません。
泰兵衛は月の都に行くことができましたが、その時朔は泰兵衛のことをよく知りませんでした。単に「能力が厄介」だから送っただけです。
でも鳴人の場合は止むを得ずの処置で、朔も鳴人には決していい感情を持っていませんでした。*9
だから2人の行き先は別れ、闇の世界に消えた鳴人は姫様と会話できなかったのかなと…。*10


月の人としての矛盾

さて、すぐ上で矛盾はないとか言ってますが、もっと重要な矛盾がありますよね。


村開始前に既に朔に感情がある。


…大問題です。エピで土下座するぐらいの問題です。
さてどうしようかなと色々考えたんですが、どうにもこうにも……。


兄の死によって生まれた感情のうち、

  • 遺体・死への拒絶反応・嫌悪感*11
  • 地上の理不尽さへの嘆き*12
  • 地上の人間の醜さへの嫌悪*13
  • このような穢れた地には長くいられないとの再認識*14

この4つは朔が元々持っていても問題のない感情です。
問題は以下、

  • 兄の死を悲しむ気持ち*15
  • 兄を愛おしいと思う心*16
  • 姫に「自分と同じ痛みはさせたくない」と思う庇護の気持ち*17
  • 双羽への同情*18

…はい、どう見てもだめです。本当申し訳ない。
まさか月の人を引くとは思ってなかったんです。
それに、私は人間の負の感情がとても好き……。*19


最初はここは弁解の項目だったんですが、最早弁解の余地もないので素直にごめんなさいすることにしました。
ここは私の設定の甘さです、ごめんなさいっ!

感情を理解した朔は何故姫様を連れ帰ることに固執したのか

姫様は「地上には大切な人がいる。だから彼らと共に過ごしたい」と仰ってます。
ならば人間と共にいることの楽しみも知っている朔はどうして姫を許さなかったのか。


1つは「任務だから」です。姫様は「二十年地上という穢れた世界に下る」という罰を受けています。
つまり双羽と朔の仕事を例えると、刑務所にいる囚人に「おい、もう出ていいぞ」と言う役なんです。
なのに囚人が「刑務所居心地いいからもうちょっといたい」とか言い出したら困りますよね。
「よしじゃあいてもいいぞ」というわけにはいきません。
それに月には姫様の帰りを待つ月の民達が多くいます。姫様がいつまでも帰ってこないとなったら皆嘆き悲しむことでしょう。
いくら姫の地位が高かろうと、大勢の月の民を悲しませるような我侭を許すわけにはいかないのです。


もう1つは朔固有のものですが「姫様の心に死の別れはきっと辛すぎるので、そのような思いはさせたくない」というものです。
朔は兄を亡くして愛しい人との永遠の別れを知りました。*20
それはとても辛く、この世界にいる意味などもうないと思わせるほどでした。*21
後は、以下の台詞。

――姫様。
…人の命は刹那の灯火のようなものでございます。

いくら姫様があの男のことを想おうと、あの男が生身の人間である限り、別れは必ず訪れます。

何故離れられるかと仰りますが、いずれ必ず離れればならぬのです。
更に…病による死ならばまだしも、突然の死であれば別れの言葉すら告げること叶いません。

――ならば、今。
互いが健やかなうちに、互いの身がまだ温かいうちに。
離れたほうが…心は痛まずに済むのではないでしょうか。

http://utage.sytes.net/pretense/sow.cgi?turn=4&vid=17&logid=WS00029

要は「どうせ離れないといけない運命なんだから今のうちにお別れしたほうがまだ苦しくないよ」という超理論です。
新婚ほやほやの夫婦に「あと50年もしたらどっちか死んで滅茶苦茶悲しむんだから今すぐ別れろ」と言ってるようなものです。酷すぎます。
でも朔は割と本気で思っているんですよね。兄が死んでから色々気づかされたので。
兄が死ぬ前に離れていれば多分こんな苦しい思いはしなかった、と。*22


更に「月に帰れば月にいる人間達には会えるじゃない」という理論もあります。
確かに泰兵衛達は地上にはもういないけれど、月に行けば会える。月に死という概念はないので、いつまでも一緒にいられる*23という話です。
でも姫様はそれを嫌がるんですよね。一番大切な育ての親が地上にいるから。
なので結局、鳴人も月に送ることになります。


私が朔の心情を描写しているせいで、朔の論もまあ間違ってはないよなと思ってしまうのですが、姫様の理論も全く間違ってないのですよ。
4d赤〜5d赤は平行線だった印象が強いです。
結局「今という刹那を大切にする」か「長い目で見たとき辛くないほうを選ぶ」かという違いしかないです。


最終日→終焉

最終日のおおまかな流れ:虎千代(桔花)を選んだ勝真は、桔花が萌歌(双羽)を殺すのを止めなかった。2人はその後一夜を過ごす。
一方追い詰められた宗治(朔)は、萌歌を殺そうとしていた鳴人を月に送る。
月白は鳴人の身を案じて屋敷の中を彷徨っているうちに、血の穢れを感じる。鳴人かと思いその戸を開けると*24萌歌の遺体があった。
何故萌歌を殺したのか、全ての元凶である自分を殺せばいいではないかと月白は2人を責める。
そこに鳴人の遺品*25を持った宗治が現れ、鳴人がもう地上にいないことを伝える。
これで月白は月に戻ってくれるだろうと思っていたが、月白は首を縦に振らない。
その一方で虎千代達は月に行った人々を地上に戻す術を宗治に問いただす。宗治がそれはできないしその必要もないと告げると、虎千代は力ずくでもと宗治に懐刀を向ける。


で、まずはここ。

……。

[刃を己に真っ直ぐ突こうとする虎千代から、男は避ける気配を見せなかった。
それどころか、その瞳は微かに笑っているようにすら見えただろう]

http://utage.sytes.net/pretense/sow.cgi?turn=5&vid=17&logid=SS00051

>>5:51の前半。結局エピでも語る機会を逃してしまった「何故この場面で朔は逃げることもせず、笑ったのか」。


鳴人がもう地上にいないことを知り、双羽の血の穢れを見ても尚、月に戻ることを拒む姫様を説得するため、朔に残された最後の手段が「姫の目の前で人間に殺されること」しかなかったんです。
もう万の言葉は何の意味も持たず。
ただただ一つ、姫の奥底にある穢れを厭う心に直接訴えるしかもう手がなかったのです。


だから逃げなかった。
笑ったのはきっと、諦めやら色んな感情がない交ぜになったからだと思います。


つまり朔は自分が刺されるのは容認していたんです。


ですがここで姫様が朔を庇い、前に出てしまいます。姫様が刺されるのは拙いので*26朔が再度庇いなおし、結果、虎千代に脇腹という中途半端な場所を刺されます。


そして再び虎千代は朔に襲い掛かります。

で、問題のここ。

[月白から返事はあったか、なかったか。
いずれにせよ月白が傷ついていないと男は安堵する。
だが、殺気立った形相の虎千代が再び己に向け刃を振り上げていることに気づくと]

[手にあった剣を虎千代に向け、振るう]

[その時の男の瞳には――月人が持つはずのない"何か"が篭められていた]

http://utage.sytes.net/pretense/sow.cgi?turn=6&vid=17&logid=SS00220

繰り返しになりますが、朔は自分が刺されるのは容認していました。寧ろ、ある程度は死にそうな程刺してもらわないと「殺されそうな自分」が説得材料になりません。*27
だからこの二撃目は受け止められたはずなんです。
もし受け止められないとしても、威嚇で攻撃するなり、武器を弾くなりすればよかっただけであって、虎千代の胸を貫く必要などありませんでした。


朔に月の人の禁忌である「殺し」をさせた"何か"とは何だったのか。


「殺意」だったのではないか。
憎しみ、恨み、そういった月の人としてあるまじき負の感情が「殺してやる」という衝動になったのだと思います。
元々朔は虎千代とあまり仲がよろしくありませんでした*28
その嫌いな*29人間がこちらに刃物を向けている。その時「刺されるべき」という理性よりも反撃の意思が勝ってしまった…のかなと。
反撃の意思がある時点で、もう朔は月の人としてはおしまいです。




そして暗闇の牢にひとり、閉じ込められることになります。
どちらかと言えば「もう月の人として完全に穢れてしまった自分は姫様にも誰にも会う資格がない」と自ら閉じこもったというほうが正しいですが…。


そして涙の海に沈んだ姫様と、双羽と、三人で、永久に弱水の中で眠りにつくこととなったのでした。

お疲れ様でした

終始ぐだぐだな文章で申し訳ありません*30。まあ基本的に自分がいつかまた読み直すかもしれないと思って書き綴ったメモなのでご容赦ください。

*1:着替えのお手伝いとか

*2:傍にいるのは平気だけどぎゅむーされたら照れるだろ!というのはあるかもしれませんがががが

*3:朔も言葉遣いが似非敬語だし

*4:実は名前を決めてないので便宜上こう呼びます

*5:多分地上に来たときは子供の姿だったと思います。矛盾が発生する可能性が高いので正確に何歳頃かは決めてませんが

*6:というか、遠慮というのは相手を思いやる心から来ているのであって、朔に兄を思いやる理由などなかったというほうが正しい

*7:3dの雷夜襲撃時に双羽が「朔ほど上手くできない」と漏らしていますが、この時に一度力を使っているので双羽より力の行使に慣れていたんじゃないかなあとか後付け…

*8:地上での拠点の管理者(兄上)を殺された!その上金まで奪おうとしてる!このままじゃ地上での活動に支障がでる!排除します! という論

*9:人殺しで邪魔者。それ以外にも上で言った「教育係」や「姫が幼少の頃から見守っていた」等から考えると、無意識の嫉妬もあったのではないかなと。「今まで私がずっと姫様を育ててきたのにたかだか20年一緒にいたくらいで父親面しやがって…」的な

*10:ちなみに、雷夜と坂野に関しては双羽が送ってますので当てはまりません

*11:これは元々月の人として持っていたもの

*12:「何故兄が殺されなければいけなかったのか」

*13:「金の為に知人を殺すだなんて愚かにも程がある」

*14:姫の身を案じる気持ちも含む「できるだけ早く姫様をお連れ申し上げねば」

*15:「別れは苦しい」と本編中でもはっきり言ってますね

*16:もう二度と会えないと知って初めて、兄が大切な人だと知った

*17:「穢れに触れさせたくない」とはまた別なんですよねコレ

*18:≒勝真と虎千代を恨む気持ち

*19:言い訳乙

*20:不死である月の人には黄泉の国で会うという選択肢もありません。後追い自殺とかしても無駄になります

*21:でもまだ地上に姫様がいるので帰ったり消えたりすることは許されません

*22:人間的な感情で言えば、それはそれで苦しいんじゃないかなと思ったりします。でもまあ、死別よりはましかな?

*23:姫という立場上、今までと全く同じというわけにはいきませんが

*24:非常に紛らわしい上に本編中でも混乱があったのですが、姫様は縁側のある部屋の襖を開けて入ったということになってます

*25:実はここ「鞘に入った状態の刀」を持っていたつもりだったのですが、刀身が見えていると解釈されてしまいました…描写力不足

*26:この辺り不明なんですが、双羽と朔は地上の肉体が死んでも「月への帰り方」を知っているから大丈夫なのではないかなと。姫様は自力で月に帰れないので(自力で月に帰れるんだったらそもそも争う必要なし)姫様の魂が行方不明になってしまうことだけは避けないといけないのではないかなー…と

*27:即死だとだめですが、女が振るう懐刀で即死を考える必要はあまりない

*28:後半は赤で名前すら呼んでいませんでした

*29:終盤はもう「嫌い」という感情では括れないほどだったと思います

*30:書いていた部分が一度自動バックアップと保存失敗してごそっと消えてしまったので萎えた…というのは言い訳ですねすいません