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シロによる、お手軽☆惨劇講座(番外編)

えー。しろぼっとの惨劇講座の更新は今しばらくお待ちくださいませ><
文章は粗方書けているのですが画像の編集ががががが。

で、本当はそっちが終わったら書こうと思っていたのですが、
「シロさんの脚本作成講座が見たい」みたいな意見を実は結構前に頂いていたので先にこちらを書くことにします。

あくまで僕の作り方なので参考程度にどうぞ><

シロ惨劇脚本作成講座

0.準備

以下のものを手元に用意します
・メモ帳(紙でもテキストエディタでもお好きなものをどうぞ)
・サマリーまたは主人公の書
・脚本家の書(できれば)
・想像力

1.テーマを決めます

「この惨劇で何をしたいか」をまず最初に決めます。
なんでもいいです。「○○元ネタの惨劇を作りたい」でも「刑事が活躍する惨劇がいい」でも「このルールを使った惨劇を作りたい」でもお好みで。
ただ、「中難易度の無難なシナリオが作りたい」とか漠然としたテーマは選択肢が広がりすぎるのでオススメしません。「病院が舞台の中難易度のシナリオが作りたい」くらいにある程度の具体性を持っておくと後が楽です。

2.テーマのために必要な部分を決めます

1で決めたテーマに絶対必要な部分を先に決めます。
主役にすると決めたキャラクターをキーパーソンにしたり、決めたルールから役職を決定したり。
この時点ではあまり難易度とかは考えてません。

3.テーマ以外のルール・役職・事件を決めます

ここからは難易度等を考慮していきます。
最終的な難易度は目指すものによりますが、少なくともいわゆる「無理ゲー」を作ってしまわないように気をつけます。
多分ここが一番難しいです。「どうあがいても絶望」になったり、逆に脚本家がどう頑張っても惨劇の達成ができなくなる組み合わせというのがいくつもあります。
そういう場合は、諦めてテーマから考え直しです。
ただ、ローカルルール(脚本家は特定のカードを使用しない、等)を適用することにより無理ゲー化は回避できることもありますので、そういうルール適用で上手くいきそうなら作っていきましょう。

4.(任意)ストーリーを決めます

ぶっちゃけこれはやらなくていいです。
例えば「患者がフレンドで刑事がキーパーソン……はっ、実はこの二人は親子で……!」とかそういう妄想タイムです。ピヨちゃんタイムです*1
その妄想の結果(脚本家の脳内にだけ適用される)ローカルルールができあがったりします(例:ラバーズはメインラバーズを殺さない)。

ちなみにこれをやるメリットですが、キャラクターに愛着が持てること。
デメリットですが、嗜好がシナリオ内容に直結するため主人公に萌えポイントを把握されている場合メタ読みされることですね!

5.ループ回数を決めます

脚本家の書にあるループ回数指針の項目を参照し、適切なループ回数を決定します。
計算した結果5ループ以上になるようなシナリオは少し考え直したほうがいいかもしれません。無論、5ループという長丁場に付き合ってくれる友達がいれば別ですが。*2
相談をアリにすると多少ループ回数を下げられます。
また「あなたたちは何回かのループ終了したところからスタートです。このキャラはキーパーソンだということをあなたたちは知っています。」みたいな宣言を1ループ目開始前に行うことによってループ回数を減らすアイディアも考えられます。

6.各ループでの脚本家の指針を決めます

どんな優れたシナリオでも何も考えずに動くと脚本家は負けます。その場で配役と事件一覧を見て「1ループ目はこうで、2ループ目はこうで」とすんなり決められるプロ脚本家ならよいのですが、だいたいの場合においてそうそう上手くはいかないので事前に考えておきます。
「主人公に先に明かしてしまう情報」「絶対に隠蔽する情報」を分けて整理しておきます。

ここは完全に個人の好みになるので本当に参考程度になのですが、

  • 1ループ目、または最終ループに衝撃的なループエンドを持ってくる(1ループ目開始早々にキーパーソンを殺害する、最後の最後で友好能力を「だが断る!」で拒否するなど)
  • 絶対に隠蔽する役職を最低一つ決める。それ以外は敢えて明かしていく(隠れ蓑であるパーソンを不必要に明かさないよう注意)
  • 別のルール・役職に誤認されるようなブラフの振る舞いを意図的に入れる

テーマによって異なりますが、だいたい上記のようなことを考えています。
特にブラフ振る舞いは重要で、主人公を積極的に敗北させようとすればするほど役職は露見しやすくなります。
なので、類似の役職が入るルールを把握し、特に序盤は別のルールであるかのように振舞うのもお勧めです。

7.一晩寝かせて遊んでみる

遊ぶのは人とやっても脳内でやってもいいです。
(仮想)主人公とカードを置きあってみます。作った直後には見えなかった粗が見えたりします。

それを元にまた練り直すなりなんなりはお好みで。






と、これだけではアレなので実際に作ったシナリオを例に解説してみたいと思います。

実例

「終わらない平日(黒の惨劇)」
4ループ5日
ルールY:悪霊の封印
ルールX1:潜む殺人鬼
ルールX2:因果の糸

男子学生:パーソン
女子学生:パーソン
お嬢様:パーソン
巫女:アクリョウツキ
刑事:クロマク
情報屋:パーソン
サラリーマン:フレンド
患者:パーソン
医者:シリアルキラー

1日目:自殺(犯人:サラリーマン)
5日目:殺人事件(犯人:巫女)


このシナリオは2回実際にプレイし、2回とも主人公勝利に終わっています。
プレイした感想としては、脚本家は2〜3ループ目くらいまでは割と悠々自適にループを回すことができるものの、4ループ目は完全に主人公との手札の読み合いになり、互角、あるいは脚本家が若干不利*3という状態になる、脚本家にとって難しいシナリオです。
そのときの主人公はどちらも、4〜5回程度のループ経験者2人+1〜2回程度のループ経験者1人だったと思います。
オフラインセッション、相談は無しです。

1.テーマ

「5日間(平日)をぐるぐるぐるぐる繰り返すブラックなシナリオ作ろうぜ!!!!!!」

以上です。マジでこれしか考えていません。
シロさんはいつでも適当です。

2.テーマから決められる部分を決める
  • よし、ループの日数は5日間にしよう!
    • 金曜日(5日目)が終わったらまた月曜日(1日目)に戻るという(違う意味で)鬼畜シナリオだ!
  • サラリーマンを主人公のお友達にして自殺させよう!
    • じゃあフレンドが入るルールXにしなきゃ!
    • 事件「自殺」を入れないとね!
  • サラリーマンフレンドをメインにしたいから、キーパーソンは入れたくないな><
    • じゃあキーパーソンが入らないルールYにしよう!
  • 5日間きっちり繰り返せるように、途中でループ終了する役職は入れたくないかなー。
    • アンサツシャ、キラー、メインラバーズも入れないで組もう!

とまあこんな感じです。
本当にざっくばらんにしか決まってないのがよくわかります。

3.テーマ以外を決める
  • ルールX1
    • フレンドが入るのは「友情グループ」「マイナス13」「潜む殺人鬼」の3つ
      • それほど極端に難しいシナリオを作りたいわけでもないので、マイナス13はやめておこう
      • 友情グループと潜む殺人鬼はどちらでもいいけど……あっ、主治医(精神科医)のお医者様ともお友達ってことにしよう!【友情グループ】に決めた!*4
  • ルールY
    • キーパーソン、アンサツシャ、キラーが入らないのは「悪霊の封印」「巨大時限爆弾Xの存在」の2つ
    • これもどっちでもいいんだけどー。インパクトがほしいなー。フレンドが殺せなかったときのための主人公敗北条件も用意しておかないといけないしなー。
    • よし、悪霊の封印で巫女をアクリョウツキにして初手で暗躍2→阻止→なにこれ巫女アクリョウツキかよおおおおをやろう!やろう!
    • クロマクのことはとりあえず後で考える。
  • ルールX2
    • メインラバーズ入れたくないから残ったXは……「因果の糸」「不穏な噂」「妄想拡大ウィルス」かあ。
    • 不穏な噂を入れると悪霊の封印による主人公殺害がメインになっちゃうかなあ。というか不穏な噂、結構強いよね。
    • 妄想拡大は事故が怖いでござる><
    • やっぱりサラリーマンに確実に自殺していただくために因果の糸を入れようへっへっへ
  • 役職決定

男子学生:
女子学生:
お嬢様:
巫女:アクリョウツキ
刑事:
情報屋:
サラリーマン:フレンド
医者:フレンド
患者:

未割り当て:クロマク(他は全員パーソン)

とりあえずここではクロマクを誰に任せるかは保留。

  • 事件
    • 因果入れるんだし、初日自殺でよくね?
    • 初日自殺できるの普通に考えたらお嬢様だけだから主人公騙せるよね!
    • しかし自殺だけでは心もとない……。
    • 悪霊の封印があるので邪気の汚染を入れるという手もあるけど……邪気の汚染を入れたら難易度ぐっと上がりそうだよなあ。
    • フレンド殺害手段として、無難に殺人事件でいいか。犯人は保留しておこう。

1日目:自殺(サラリーマン)
5日目:殺人事件(?)

4.ストーリー決定

さて何故巫女がアクリョウツキになってしまったのかを考えるか……(妄想中。ぽくぽくぽくちーん)……実はこの巫女とサラリーマンは兄妹なんだよ!
それで仕事でなかなか帰れないお兄ちゃんを心配した巫女は神様に祈るんだけどうっかり祈った相手が悪霊で、取り付かれてしまった!これだ!
じゃあ5日目の殺人事件の犯人も巫女にしよう!巫女さんは悪霊に操られてお兄ちゃんを殺してしまうのです!まさに外道

じゃあクロマクどうしようか……シャッチョーサンみたいなキャラいないしなー。誰でもいいと言えばいいのだけど、使うときのことを考えると患者に配置するのは厳しいなー。
(妄想中)……はっ、ブラック商事*5の不祥事を追っている正義の刑事が捜査時間を少しでも延ばすために同じ日々をずっと繰り返しているというのはどうだ!いい迷惑だ!やろう!

(3に戻って)
・役職決定
男子学生:パーソン
女子学生:パーソン
お嬢様:パーソン
巫女:アクリョウツキ
刑事:クロマク
情報屋:パーソン
サラリーマン:フレンド
医者:フレンド
患者:パーソン

・事件
1日目:自殺(サラリーマン)
5日目:殺人事件(巫女)

5.ループ回数決め

脚本家の書を開いて〜(ぱらぱら)
えーと、悪霊の封印(1.5)+因果の糸(0.5)+友情グループ(1.0)=3.0
3ループか。でも「1日目に因果の糸によるフレンド自殺」という極悪非道なものを入れているから、これだけで1ループ足してもいいと思うんだ……。

というわけで4ループにします!

6.指針決め

基本的に隠ぺい力の低い勝利条件から順に満たしていくとラクだと思います。
なので、
1ループ目:初手で神社に暗躍2→巫女アクリョウツキCOしてあとはのらくら
2ループ目:上手く主人公が動いてたらサラリーマンが友好乗っているはずなので因果の糸COしつつ初日サラリーマン自殺
3ループ目:神社に暗躍+殺人事件でフレンドぬっころ
4ループ目:気合。最悪クロマク動かす。

という風に決めました。だんだん適当になるのは仕様です。

そして賢明な脚本家&主人公の皆様はお気づきかと思われますが、このシナリオ、無理ゲーです。
作るな!と言っておきながら無理ゲーです。
何がと申しますと、サラリーマンが初日に自殺します。因果の糸です。フレンドです。
つまり一度でもサラリーマンは自分の正体を公開してしまう*6と、毎ループ開始時にサラリーマンは不安2が乗った状態からスタートとなり、
以後脚本家が毎ループの1日目初手でサラリーマンに不安+1を置くだけでサラリーマンは簡単に自殺してしまいます。
医者に友好+2、サラリーマンに移動縦を置いて入院させても不安+1が置かれた場合間に合いません。
そして初日でフレンド殺害に成功すれば脚本家はあとはひたすらだらだらと情報屋とか刑事とかに友好禁止を置いて意味の無い動きをするだけで全てのループを主人公にヒントを一切与えないまま終えることができてしまいます。

これはいくらなんでもひどいので【全てのループの1日目に脚本家はサラリーマンにカードを置いてはいけない】という非公開ローカルルールを作成しました。
サラリーマンにカードが乗っていなければ先ほどの病院への緊急入院もしくはサラリーマンに不安−1を置くことで1日目の自殺は回避できます。
俗に「高価」である不安−1を主人公側にほぼ強制的に使用させることになりますが、逆に言えばここ以外で不安−1を積極的に利用しなければいけない盤面でもないので大丈夫でしょう。

なので主人公から見たこのシナリオは、
1ループ目:神社に暗躍2乗ったwwwwってえっ、パーソンさんパーソンじゃないのww
2ループ目:おいwwwフレンド初日に自殺したぞwwwwおまwwww因果かよwwwってちょい待てこれ無理ゲーじゃねwww
3ループ目:あれwww無理じゃなかったwwwいけたwwwwwでも殺人事件でフレンド死んだwww
4ループ目:クロマクwwwwwwどこだよwwwwうぇうぇwwwwwwwww

という感じになります。なるはずです。*7
ちなみに主人公のレベル的には、3ループ目開始時時の狭間で「とにかくリーマンに不安−1を置かなくてはいけない」「あれ、でも置いても間に合わないよこれ無理ゲーじゃね」
この2点に気づいてくれる主人公を想定しています。
脚本家がカードを置かないと決めた以上、主人公側がリーマンを放置した場合やっぱりサラリーマンは自殺してしまいますので、そこに至れないガチ初心者向けのシナリオではありません。
というか巫女アクリョウツキ・リーマンフレンドが露見した時点で主人公の一手目はほぼ確定します。「神社暗躍禁止」「サラリーマン不安−1」「巫女移動縦(または横)」
コレ以外のカードを置いた場合、神社に暗躍が乗るかフレンドが自殺します。なので脚本家も一日目の手札は二日目以降の布石となるものを置かなくてはいけません。

そしてここまで作って満足し、一旦寝ます。

7.一晩寝かせる

改めて見て気づきました。
主人公敗北条件が、
1.フレンドの死亡
サラリーマンの自殺、殺人事件
医者の殺害、殺人事件
2.暗躍Cが2個以上神社に乗っていること

この2つしかありません。
特に2人目のフレンド殺害手段が殺人事件しかありません。
サラリーマンは自ずからフレンドCOするからよいとして、巫女アクリョウツキでもう一人のフレンドというか、ルールXを隠蔽するのはきちくげどうです。情報屋にルールを聞いても、フレンド候補が多すぎて特定に至れません。それ以前に殺人事件の犯人を主人公は特定しないといけないのです。

「クロマクを隠蔽する」という前提で作ったのでこれはまずいとルールXの変更を考えました。
マイナス13は難易度が上がるだけなので、潜む殺人鬼と入れ替えます。医者をシリアルキラーにし、好き勝手に殺せる環境を構築しました。
ただ、医者シリアルキラーだと、初手で動かさない場合患者が死亡して一発で透けます。
1ループ目は神社の暗躍で主人公を敗北させると決めたので、医者は都市に移動させて1ループ目は誰も殺さないように潜伏します。2ループ目以降は、サラリーマンを自殺させ損ねた時に殺害しに行く役割を持っています。
反面、主人公はシリアルキラーで巫女とクロマク候補を殺害することが可能になり、難易度はぐっと落ちました。


そして実際のプレイ。
予想とははずれ、2組の主人公どちらも1ループ目の初手では神社の暗躍+2を禁止してきませんでした。このため、2ループ目、3ループ目まで巫女の役職の特定が遅れています。
しかし4ループ目にはどちらの主人公も「やることはほぼ明確、後はクロマクを探すかループ突破を目指す」だけの状況になり、

1組目の主人公はクロマクをシリアルキラーで殺害した後、最終的にクロマクを三択まで絞って最後の戦いで1/3を当てて勝利、
2組目の主人公は「クロマク能力を使用すればクロマクが確定するが、能力を使用しなかった場合ループ突破で敗北する」という状況にまで脚本家を追い詰めました。結局脚本家が泣く泣くクロマク能力を使用し、全ての役職が確定して最後の戦いで勝利しました。


いやー脚本家って難しいですねえ。
というわけでこの記事はこの辺でお開き。
長文お付き合いいただきありがとうございました。
それではよい惨劇ライフを☆

*1:アイマスの事務員さん

*2:僕はオンラインセッションで使うこともある関係上、極力3または4ループに収まるように事件を調整します

*3:先手である以上どうしようもない

*4:あれ?って思った方、説明は後でしますのでとりあえず読み進めてください

*5:いつの間にか命名

*6:サラリーマン自身の友好能力を含む

*7:芝の量は個人差があります